マンションの大規模修繕工事とは? 大規模修繕工事の最中はどうなる?

分譲マンションでは定期的に「大規模修繕工事」を実施します。そもそも大規模修繕工事とはどのような工事なのか、そして、どの程度の期間で行われるものなのでしょうか。大規模修繕工事の工事内容、工事期間の目安、工事中の注意点などもあわせて解説していきます。

マンションの大規模修繕工事とは?

大規模修繕工事とは、分譲マンションの建物や設備の老朽化による劣化の改善や不具合の発生の防止など、マンションの性能を維持するために、計画的に実施されるまとまった規模の修繕工事のことです。

大規模修繕工事は多くの場合、マンションの管理組合が作成する長期修繕計画をもとに実施されます。長期修繕計画では大規模修繕工事の内容と実施時期が定められ、また費用についても収支計画が立てられます。

大規模修繕工事の費用は原則として、マンションの住人(区分所有者)から毎月徴収される修繕積立金によって賄われます。修繕積立金だけでは不足する場合は積立金の値上げが行われるか、工事の前に新たに一時金を集める、金融機関から借り入れるなどの方法で対処することになります。これらの対処法はいずれの場合も総会の開催を必要とし、民法で定められた区分所有者の賛同数を得なければ実施されることはありません。

マンションの大規模修繕工事は何年に一度行われる?

長期修繕計画では一般的に10~12年に一度、大規模修繕工事の実施が予定されています。傾向として、2000年以前の長期修繕計画では10年周期、それ以降の長期修繕計画では12年周期とされていることが多いようです。国交省が発行している「長期修繕計画策定ガイドライン」にも「大規模修繕(周期12年程度)」などの記載があります。12年周期とされることにそれほど確固たる根拠もないという意見もありますが、そのため、10年~12年というのは一つの目安として捉えておくべきでしょう。実際のところ、大規模修繕工事の時期はそれぞれの建物の構造、建設時の施工の質、立地条件、日常的な管理状態によって変わってきます。16~17年周期でも問題ないというマンションも少なくありません。

管理会社がマンション建設後に作成した長期修繕計画も適宜修正を加えながら、実態に即した工事が行われるというのが理想です。たとえば、建物の竣工や改修から10年を経ているマンションの場合は、3年以内に外壁の「全面打診調査」を実施しなければならないことが建築基準法によって定められています。

大規模修繕工事の工事内容と工事にかかる期間の目安

大規模修繕工事では具体的にどんな工事をするのかを、期間の目安とともにご紹介します。工事内容によっては、全体の期間が5~8ヶ月程度かかることもあります。

足場仮設工事

本工事を行う前に、建物の外周を覆う足場を設置します。ほかに資材置き場・作業員詰め所なども設置します。30~50戸のマンションの場合、これらの工事に10~15日かかるでしょう。

下地補修・シーリング打ち替え・鉄部塗装工事

壁などの下地調査を行い、調査結果に基づいた下地部分の補修を行います。またサッシの周りや外壁目地のシーリングを除去して新しいシーリングを充填します。さらに階段や手すり、扉など鉄部の塗装も実施します。
これらの工事に1~2ヶ月程度を必要とします。

外壁塗装工事・防水工事

外壁塗装工事は下地コンクリート面の補修や高圧洗浄などによる汚れや苔の除去を行ってから養生をし、下塗り、中塗り、仕上げ塗りを施していきます。場合によってはさらに塗る回数を重ねることもあります。各塗り工程では、塗り材料の色を変えて施工漏れが起きないようにします。

また、屋上・屋根・ベランダなどの防水工事も重要な工事です。施工する部分によってウレタン樹脂、アスファルト、塩ビシートなどが用いられます。これらの工事は工法によって工程が大きく異なり、2~4ヶ月かかります。

大規模修繕工事の最中はマンションに住めるの?

大規模修繕工事中は若干の生活上の制限や不便が生じます。主な制限事項・協力要請事項は、ベランダの防水工事や鉄部塗装作業中の臭い、足場仮設工事中やタイル剥がし中の騒音、ベランダに置いてある物の撤去・移動、洗濯物を干す場合の規制、足場のシートによる遮光、部屋の外で作業する作業員への目隠し対策、セキュリティ対策、網戸の取り外しなどです。

ただし、住戸で生活することが著しく困難になるようなことはありません。期間中は施工業者も不便なことがないよう配慮をしてくれます。また、工事前に事前説明会などが行われ、業者が細かい質問にも答えてくれます。マンションの掲示板などによって随時どのような制限事項や協力要請事項があるかもアナウンスされます。普段の生活は、おおむねそのまま続けていくことができるでしょう。
シートがかけられた状態で何か月間か過ごし、バルコニーなどに作業の人が来ることもあります。若干、鬱陶しいと感じますが、ご自分が購入したマンションをこれから先も安全、かつ、綺麗に保つためには必要不可欠なことです。

マンション購入後は、どこかのタイミングで大規模修繕工事が行われることになるはずです。マンションの寿命を延ばすために必要な工事なので、区分所有者の一人としてしっかりと作業が行われることを確認するとともに、工事期間中も快適に過ごせるよう備えをしておきましょう。

中古マンションに興味がある方はこちら

関連記事

おすすめ記事

  1. 「賃貸vs購入」不動産ポータルサイトや雑誌では年に数回記事になるこの話題。 毎月の賃料と住宅ローン…
  2. 金融庁が「人生100年とも言われる長寿社会の時代に向けて、どのように個人個人が資産を蓄えるか。」とい…
  3. 初めまして。この筆者である「私」です。一人暮らしの女性の一人である私が、一念発起してマンションを購入…
  4. 中古マンション(中古戸建もそうですが)を住宅ローンを利用して購入を考えている方の誰しも一度は頭金の額…
  5. とある中古マンション。その外観や間取り、内装も気に入りました。予算もぴったり。さあこの物件に決めよう…

話題をチェック

  1. 2019-1-28

    魅力ばかりだけではない? タワーマンションのメリットとデメリット

    「タワーマンションに住むのはお金持ちの特権」と思われがちですが、実は平均的な世帯年収の人たちでも手が…
  2. 2019-2-28

    単身女性がマンション購入した後に後悔しないためにすべきこととは

    女性の社会進出が進み、経済的に自立した女性が増えつつあります。それに伴い、自分の費用のみでマンション…
  3. 2019-1-3

    住宅購入をする際に注意! 「住宅取得等資金の贈与税の非課税」とは?

    住宅を購入する際は、物件の価格に加え、必要となる諸費用について調べるだけでなく、税制や特例についても…
中古マンション購入+リノベーションはじめの一歩は知識が豊富なファイナンシャルプランナー探し
ページ上部へ戻る