必読!あなた向きなのは、中古マンション購入+リノベーション?リノベーション済み中古マンション購入?

先日、こんなお問い合わせをいただきました。概要を箇条書にすると、こんな感じです。

→そろそろ40代に差し掛かり、最長である35年の住宅ローンを組めなくなる年齢が迫ってきたので、マンションを購入しようと考えている。

→自分の中では中古マンションの設備や内装は古いというイメージを持っていたが、友人からリノベーションをするという方法を教えてもらい、調べてみると自分の好みの内装に変更することができるうえ、オシャレかつ機能的に仕上がるようなので、物件探しからワンストップで引き受けてくれるリノベーション施工会社に問い合わせてみた。

→そこで紹介してもらった物件をいくつか内覧してみたが、エリアも建物のグレードも、どれもがこちらの理想とするものとは違う点が多く、モヤモヤした気持ちがずっと残っている。

→そもそも、中古マンションの購入やリノベーションとはどういうものなのか。一旦頭を白紙に戻し、フラットに考えたいと思い、改めて不動産会社に問い合わせようと思い至った。

中古マンションの購入についてお問い合わせをいただく中で、今回のようにリノベーションを検討している方の割合が増えてきています。その中で、リノベーションをすることが目的なのか、もしくは、中古マンションを購入し、住み替えや資産形成をすることが目的なのか。という点があいまいになってしまっているケースが多いように感じました。それは、最初にすべき相談先が2種類あるということもその原因のひとつかもしれません。

そこで、最初の相談先を『リノベーション会社』にするのか、それとも『不動産会社』にすべきなのか。どちらを選択するかによって、何がどう違うのか。その点を以下にまとめてみることにしました。

中古マンションを購入する目的が、「リノベーションをする」方の場合

メディアや雑誌でも取り上げられる機会が増え、認知度が高まってきた中古マンション購入とリノベーション。物件探しまでワンストップで行う会社も増えてきています。

最初の相談先はリノベーション会社?不動産会社?

リノベーションを目的として中古マンションを購入しようとしているお客様の行動パターンの特徴としては、先にリノベーション会社に相談する方が多いように見受けられます。家探しだから不動産会社ではなく、リノベーションをするのだからリノベーション会社というお考えなのでしょう。

ワンストップで中古マンション探しから行っている会社だと、リノベーションについても知識があり、リノベーションに適した物件探しを行ってくれるため、スムーズに進められると思います。

マンション購入価格とリノベーション費用のバランスと

ただ、今回のご相談で思ったのは、そこでの最終目的がリノベーションをすることなので、どうやら、リノベーションが可能な物件しか紹介されていないようです。この方が感じたもやもやは、それが原因だと思われます。加えて、リノベーションありきのため、資金計画の段階で優先されるのがリノベーションにかかる費用が重視され、物件価格は、総費用からリノベーション費用を引いた額になる傾向が強いように見受けられます。

リノベーションありきの物件価格の決め方

総費用―リノベーション費用=物件価格

例えば、年収や家計の収支から算出した総費用が4,000万円だとすると、リノベーション費用が800万円~1,000万円かかるものとし、そのため、物件価格は、3,000万円~3,200万円になるというように、リノベーション費用を先ず確保してから物件の購入価格を決めるようです。

この場合、希望するリノベーションの工事がしやすいか、あるいは、可能なのかどうかを優先した物件探しが基準になるため、エリアや築年数など、当初こちらが希望し、最優先されるべき諸条件からだんだんとズレが生じてしまうこともあるようです。また、リノベーションが大前提にあるため、既にリノベーションが完成している物件を紹介されることも少ないようです。

リノベーション済み中古マンションを購入する

リノベーション済み物件というのは、再販業者と呼ばれる会社が、自社で購入した中古物件をリノベーションして販売している物件のことです。

最初からリノベーション済みの物件を条件にして探し始めるというよりは、中古マンションを探している過程で、リノベーション済み物件について知る方が多いので、ほとんどの方は不動産会社に相談をするというケースです。

不動産会社も、リノベーションが前提ではなく、マンション購入そのものを主な目的として物件を探すため、リノベーション向きなのかどうか、あるいは、リノベーション済みか、そのままの状態かなどの条件は抜きにして、購入者の希望する第一条件を加味したうえで、選択肢を広げた物件を数々紹介してくれます。

物件の価格は、その会社の購入価格+リノベーション費用+必要経費で構成されますので、何もしていない中古マンションに比べると、高めの価格設定がされています。

業者の購入価格+リノベーション費用+必要経費=物件価格

再販業者は日々不動産会社に営業をかけ、情報収集していますので、一般の方より情報を早く入手でき、安く購入する機会も多くなります。また、リノベーションに関しても提携先やノウハウを使ってコストを安く抑えることが可能です。そのため仮にエリアなどが同じ物件であっても、一般の方が購入してからリノベーションを行うよりは、再販業者のリノベーション済物件の方が比較的費用を抑えることができます。

残念ながら自分好みのこだわりの内装にはなりませんが、最近では、PanasonicやLIXILなどのメーカーでも、リノベーションに対応し、無垢の風合いに近い建具やフローリング仕様のものなども提供しているので、それらを使って上手にまとめています。これらの物件はリノベーション協議会の定める品質基準を満たしたリノベーション済み中古マンションとして紹介されています。

リノベーションに最適の中古マンションは、どうしても再販業者に先を越されてしまうことが多いので、一般の方がご自身で探そうとするとなかなかその条件に適う物件にめぐり合えないかもしれません。好い物件がないなぁと思ったら、一度リノベーション済みの物件を内覧してみてはいかがでしょう。もしかしたら、選択肢が広がるかもしれません。

お勧めする相談先について

リノベーションにこだわりたいという方は

間取りや水廻り、建具、建材などにこだわりがあり、それをどうしても実現したいという方もいらっしゃいます。中古マンションの主な購入動機が、自分の思い通りに自宅をリノベーションしたいから。という方は、まず希望とするリノベーションの費用がどのくらいになるのかを把握することが大切ですので、先にリノベーション会社に相談することをお勧めします。

物件探しは不動産会社の管轄ですが、リノベーションについて知識がある不動産会社とそうでないところがあります。構造や配管、規約など様々な規則や制約が関与することなので、当初計画していたリノベーションの内容を変更せざるを得ないこともあります。

購入後に「希望するリノベーションができない!」などということにならない為にも、お客様はもちろんのことリノベーション会社とも上手に連携し、より確実にコミュニケーションがとれる不動産会社を選定していくことが大事です。

リノベーションに興味はあるけれど、そこまでこだわりはないという方は

リノベーションにも興味があるとはいえ、そこまでのこだわりはなく、エリアなどのほかの条件に重きを置いて中古マンション探しをしていきたいという方は、先に不動産会社へ相談することをお勧めします。

不動産会社では、リノベーション済み、リノベーション向きにかかわらず、条件に合う物件を紹介してくれます。その中にはリノベーションをしないと住めないというような物件もあります。

そういった物件が出てきた際に、どの程度のリノベーションが必要なのか、またそれにはどれくらいの費用が掛かるのかなどの疑問に、きちんと対応ができる不動産会社を選ぶようにしましょう。

まとめ

正しい選択はどちらなのか。簡単には答えの出ない問題ですが、ご自身が中古マンションを購入しようと思い立った時、その目的が「リノベーションをすること前提」なのか、そうではなく「中古マンションを購入すること自体」なのかをよくお考え下さい。それを明確にすることで、相談先の選択も自ずと明白になり、前述の方のような不安感や不信感を払拭することができるはずです。

リノベーションにこだわりがある方は、その工事内容が可能な中古マンションにフォーカスする探し方が合っていますし、実はそんなにこだわりがないかもという方は、リノベーション済み物件も対象として広く探していく方法が合っているようです。

何よりも、ご自身が一番に挙げる購入目的からぶれることなく納得のいく中古マンション探しをしていくことが、つまりは最適の物件にめぐり合う結果になるのではないかと思います。

中古マンションに興味がある方はこちら

四方田 裕弘

投稿者プロフィール

1976年生まれ 東京生まれ東京育ち。2人の娘の父です。数字と感性の両輪で、中古マンション購入とリノベーションをとらえるよう心がけています。

なぜ購入するのかから一緒に考え、その人の暮らしにあった不動産の探し方を大切にしています。

【保有資格】
CPM®(米国不動産経営管理士)/宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)
公認不動産コンサルティングマスター/管理業務主任者/相続アドバイザー(NPO法人相続アドバイザ-協議会)
定借プランナー/損害保険募集人資格/甲種防火・防災管理者
東京シティガイド検定合格者

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